地方の小都市は、
国レベルの高度成長・人口増加における生産と消費に追従すべく、
これまで必死になって筋肉をつけてきた。
筋力を上げるためなら、中央からのドーピングも積極的に受け入れた。
しかし当然、そのような不自然な筋肉増強は本来の骨格には見合わない。
筋肉とのバランスを欠いた骨格は、
生産と消費に酷使されることで様々な歪みを生じることとなった。
そして、低成長・人口減少への変化の中で次第に痩せ細り、
ごまかし続けてきた歪みも、
生活に支障をきたす痛みや病となって現れはじめた。
「まちの整体」は、
地方都市の歪みを本来もっている骨格へ整え、
老いが進みながらも適切な代謝を維持し、
大手術や投薬に頼ることなく最期まで自力で食べて歩ける身体へと
改善しようという戦略である。
適正な身体を自己管理しながらも遂には自力で食べて歩けなくなったとき、
そのまちは人生を全うしたといえると思う。
<2011年7月16日(土)付北海道建設新聞より『集団移転は未来への贈り物』森傑氏>
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